中国に関するQ&A

Q1 中国で特許出願を検討しています。模倣者が心配なので迅速に特許を取得したいと考えておりますが、どのようにすれば良いでしょうか。

A1 日本では、早期審査制度などがあり、審査の迅速化を図る手段がありますが、中国では、中国国内の制度としては存在しません。
 しかし、中国も諸外国との間で、PPH(※)の取り決めを行っておりますので、他の国で特許が許可された場合、それを根拠として、早期審査を申請することができます。
 例えば、日本人の場合は、
 (1)まず、日本国を受理官庁としてPCT国際出願を行う。
 (2)その国際出願を日本国へ国内移行し、早期審査(又はスーパー早期審査)の
対象とする。
 (3)そして、迅速に日本国内で特許を取得する。
 (4)中国に国内移行し、上記日本国内での特許の取得を根拠としてPPHの申請を
中国に行う。
 (5)中国でも迅速に特許を取得する。
・・・という流れが一般的には好適かと存じます。
 ※なお、上記(2)において、PCT国際出願の優先権の基礎となった出願について早期審査の対象とすることも好適です。

※PPHにつきましては、早く審査を受けるには?-海外情報-のページで詳しくご説明しております。

▲ ページトップへ

Q2 上記Q1との関連質問ですが、中国では、特許と実用新案を同時に出願し、まず実用新案権を取得し、特許が成立したら、実用新案権を放棄する。というお話を聞いたことがあります。日本人も同様にして、早い段階では実用新案権を行使し、特許取得後は特許権を行使するような手段をとれるのでしょうか。
  例えば、PCT国際出願について、中国に対し、特許と実用新案について2個の「国内移行手続」を行うことは可能でしょうか。

A2 確かに、中国の企業では、日本と異なり、実用新案は広く利用されております。また、ご指摘のように、実用新案と特許とを同時に出願し、早く実用新案権を取得すると共に、特許登録時に、実用新案権を放棄する、等の処理も行われているようです。
 実際、特許と実用新案とでは、書類の内容に共通性があるため、書類を転用しやすく、結果的に費用的にはそれほど大きくならないと考えられます。
 日本人がこのような特許と実用の2本立てで出願を行う場合、「PCT国際出願から特許と実用へ2個の移行手続を行えないか?」というお問い合わせは非常に多いです。残念ながら、2個の移行手続をすることはできません。
 したがって、日本人が、同一発明について特許と実用新案の2種の出願をする場合は、日本出願(又はPCT国際出願)から1年以内に優先権を主張して中国に特許と実用新案出願の2種の出願をすることが好ましいです。パリ条約上のいわゆる優先権主張出願は何個してもOKです。

▲ ページトップへ