共同出願 of 伊藤吉田国際特許事務所

共同出願について

はじめに

 特許を受ける権利が共有であるときは、共同で出願する必要があります(特許法第38条)。共同出願は、一人が単独で出願する場合とは異なり、様々な制約がかかってくることがあります。
 以下、簡単にご説明します。

持分

 共同出願の場合、出願人全員について特許を受ける権利の持分を定めることができます。この持分は、特段の定めがなければ各人平等と推定されます(民法第250条)。
 なお、例えば単独で出願したものについて、その後自己の持分の半分を他人に譲渡することによって、後発的に共同出願とすることもできます。

制約を受ける手続・行為について

 上述したように、単独出願とは異なり、共同出願の場合における手続には様々な制約があります。

手続について

 共同出願の場合の手続についてご説明します。共同出願における手続は、不利益行為(※1)を除いて、各人が単独ですることができます(特許法第14条)。その場合、手続をした各人は権利の共有者全員を代表したことになります。
 なお、不利益行為に関しては共有者全員で行わなければなりません。

(※1:不利益行為とは、
(1)特許出願の変更、放棄及び取下げ
(2)特許権の存続期間の延長登録の出願の取下げ
(3)請求、申請又は申立ての取下げ
(4)第四十一条第一項の優先権の主張及びその取下げ
(5)出願公開の請求
(6)拒絶査定不服審判の請求以外の手続
 以上の行為を指す。)

手続以外において共同出願人の同意が必要な行為

 共同出願においては、自分の持分であっても他の共有者の同意を得なければすることができない行為があります。具体的に、以下の行為は他の共有者の同意が必要となります。
<出願中の権利>
(1)特許を受ける権利に係る持分の譲渡(特許法第33条)
<権利取得後の権利>
(2)自己の権利の持分の譲渡(特許法第73条)
(3)権利の実施許諾(専用実施権、通常実施権)(特許法第73条)
(4)質権の設定(特許法第73条)

 なお、特許権取得後は、原則として他の共有者の同意を得なくても権利の実施をすることができます。

その他

 審判につきましては、原則として共有者全員で請求する必要があります。また、第3者から請求される場合においても、共有者全員が対象となります。

まとめ

 以上述べましたように、他者と共同して出願をする場合には手続や行為によって出願人全員でしなければならないことや、他の共有者の同意を得なければならないものがあります。
 今回は主に特許の場合を重点においてご説明しましたが、商標においても上記特許権に準じて考えることが出来ます。
 どの行為・手続にどのような制限があるのか、どのような書類を提出すれば良いのか等ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。

※当所における取扱いについて
 当所におきましては、各共有者全員の同意が必要でない手続(例:意見書・手続補正書の提出)についても、原則として出願人様全員の明示的なご指示をいただいたのち、お手続きをさせていただいております。これは不要なトラブルを防ぐためでございますので、皆様には何卒ご理解をお願い申し上げます。