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米国における新規性喪失の例外について

従来、米国においては、日本の新規性喪失の例外の規定に類似したグレースピリオドの規定がありました。
この規定によれば、発明者の公開から1年以内に米国に実際の出願手続(又はPCT移行手続)を行う必要がありました。

これに対して、
2013年3月16日施行の米国特許法によれば、
「有効出願日」が、優先権主張の基礎となる出願日になります。
そして、その有効出願日から過去1年以内の発明者の公開行為によっては、新規性喪失を理由に特許を否定されないとの規定に新たになりました。

 日本人の例で言えば、
 ・発明者発表(新規性喪失)
   →1年以内(※1)に日本出願
   →1年以内に優先権主張して米国出願(PCT出願)
 とすれば、米国でグレースピリオドの規定を受けて、
自己の発表によって特許性が否定されることはありません。

 したがって、以前に比べて、日本人にとっては多少なりとも有利になったと言えるでしょう。

※1:実際は、日本でも新規性喪失の例外の適用を受けるので、日本の規定に従って6ヶ月以内とするのが通常です。)

 なお、日本では、2013年4月1日から施行された特許法によって、発明者の行為による公知、発明者の意に反する公知、の全ての場合に関して新規性喪失の例外の適用を受けることができるようになりました。